タチウオ絶コロマン ウキ釣りでアタリは出るのにかからない…もう奴らを逃がさない仕掛け
初めてですよ…
ここまで私をコケにしたお馬鹿さん達は。
昨今、関東、特に東京湾でも魚が釣れる事が解り、盛り上がってきた岸からのタチウオ釣り。
今年は夏頃から好調の報を聞くことも多く、運営する生放送釣り番組『カルモア釣査団』でも取り上げた訳です。
1回目の放送では、エサであるアジがイカに数度襲われた為、イカ仕掛けに変えた所を、タチウオに持っていかれる、ミッドウェー海戦における装備換装の悪夢が再来したかのような『カンナにタチウオはかからねーんだよ!』事件で惨敗。
『このままじゃ終われるわけねーだろうがよ』と意気込んだ2回目は
その場しのぎで作ったオリジナルなフックセッティングの限界を露呈し、投げ入れたエサは入れ食いされましたが、一度も針にかからず、終了となりました。
まぁ、番組では、これこそがタチウオ釣りの醍醐味なんだ、これがやりたくて皆行ってしまう、と共感を得るコメントも多数頂いたように、
必ずしも漁獲を必要としない趣味としての釣りの観点から、更に、私は釣った魚を持ち帰らない事もあり、楽しめたのかと言えば、それはもう、楽しい体験であった訳です。
ああでもない、こうでもない、と毎回エサの付け方、使用する針の変更と、その場で出来る事をやり、すぐに反応が得られ結果が出る、というのは自然を相手にする釣りでは中々、遭遇しないことでもあり、貴重な体験でした。
つまり、今回は、その延長として、では手持ちの道具ではダメだったので、一度リセット、そう今流行りの独断かつ、人のメンツを丸潰そうが一切気にしない、リセットをして、インターバルタイムを活かした、余裕のある時間で再度、タチウオ釣りの仕掛けを考えることにしました。
また、前回は当日に、デザインを実現する道具を買いに行ったのに、マニアックな道具は置いてなかった、という悔いも一部あります。
先ず、私が人よりもアタリを多く得る為に、当日にスーパーで人間向けに売られてる食用のアジを使う場合、なぜ、かかりづらいのか考えました。
タチウオは長細い魚なので、真上から見ると、くちばしのような形状をしています。
これに対し、針をどの様に設定したとしてもとても接点が少ないのが解ります。
また、エサ釣りで針を口に刺す上で、口の中に入った針が、口の中を滑って、最終的に、口のエッジを支点に刺さる、というかかり方をすることが多いのですが、
タチウオは多くの魚と異なり、そのまま噛んでる事が多いです。
釣り針が魚に刺さるメカニズムとして、魚が捕食後に反転するから、魚の口付近で支点が生まれるが、反転しないタチウオは支点が発生せずに、そのまま抜けてしまう、ということになります。
様々な形状がありますが、極論的には、エサを飲んだ時以外は、全て運任せと言えます。
非常に参考になる動画があります。
エサを捕食した後に 、くわえたまま、向きを変えない、反転しない、タチウオ独特の捕食姿勢です。
ルアーやテンヤ(引き釣り)は魚に針を刺すメカニズムが違う
ここで、アタリの数に対してルアー釣りや、テンヤ釣りのキャッチ率が高いのは、そもそも、魚の口に針を刺すためのメカニズムが異なるからです。
研究をする上で、これらの釣り方では、釣り上げられた直後のタチウオ画像を、徹底的に見たところ、針が外がかり、外から口にささる状態、もしくは顔周辺に刺さっている事が、とても多いことに気が付きました。
これは最早、フグやカワハギのカットウ釣りに近いイメージの釣りで、感度の良い仕掛けで、アタリを素早く察知し、大きな針に強い力を発生させて刺す、という、
そもそも針が口の中に入ってくれることを想定しない、別のメカニズムだと理解する必要があります。
ワインドルアーですと、ヘッドについてるトリプルフックが下顎に外がかりしてるケースがとても多い筈です。
つまり逆説的に見れば『 従来の針がかりとは別のメカニズムであれば、タチウオのアタリを多数かけられる 』とも言えます。
※注 ココから先について
Googleさんマジで勘弁してください。
この記事は『タチウオの捕食行動は他の魚とぜんぜん違う事』
故に、ウキ釣りをした際に、釣り針が刺さり難い点に関しては真面目に書いています。
が、後半の仕掛けに関しては完全ネタです。(何故コチラが検索で上に来るのか…)
真面目な記事はこちらを参照して下さい。
以上を踏まえて、あくまでもアジ一匹エサを使った電気ウキ釣りで、私が考案した仕掛けが、本記事で紹介する、タチウオ絶コロマンになります。
ベース
アジの姿勢制御用に水平針を使用しています。
遠投した際にアジの硬い所に、これが作用することで、身切れなどを防ぎ、またウキを流すことで、自然な姿勢での水平移動により、違和感を与えません。
孔明の罠的に、これをアジの内部に仕込むことも出来ます。
鮎の掛け針みたいな形状をしたかかり重視の針です。
万全に見えるようですが、この時点では、まだ、
・ 運良く針を噛んでくれた
・ 咀嚼してる過程でたまたま針が引っ掛った
と運任せであると考えます。
ここで次に、画期的なワイヤーとトリプルフックの運用を行います。
用意する物 ワイヤーと とトリプルフック ST26かST36の#14
ワイヤーに数珠状に、固定せずに通します。
改良版と装着例
デザインや企画が良いものだとして、実装の段階で躓くことは多々あります。
市販のワイヤー仕掛けを流用したバージョンの装着事例を紹介します。
今回使用したワイーヤー仕掛け。
ワイヤー全体の長さと、締めにトリプルフックが付いていることが適しています。
これに補充でフックを装着します。
使用したフックはこれです。
ワイヤーを有刺鉄線化するアシストとして機能する事を目的としているため、小型のものです。
ワイヤーへの装着は小型のスプリットリングを使用しました。
仕掛けの装着例
最初からついている仕掛けの針は遊ばせている状態です。
アジの口へワイヤーを通す
口が柔らかいと言われるアジですが、下顎はとても硬いです。
最初に、ハサミや針外しの棒、などで、硬いところの後ろにある部分から、口へ貫通させたルート作ると、ワイヤーをすんなり通せます。
この状態にしたものを、先に紹介している平行仕掛けで姿勢を作ります。
この時、口から伸びているワイヤーよりも、平行仕掛けの方が短いことで、仕掛けを投げた時には、一切引っ張らない状態になってる事が必要です。
では、なぜこれだと、運任せではなくなるのか。
先ず、アジを水平移動させる事で、タチウオが噛み付く方向を限定しています。
次に、これがキモですが、アジを全面防御していることで、ワイヤー線のどこかが、必ず支点となります。
左はくちばしが線を噛む図。
右は真上から口をみた際に、噛むことで、口の左右に支点が生まれる図。
先程、説明したように、口の中に針があり、口のエッジを支点とする通常の方法はタチウオには通用しません。
この為、そもそものエネルギー方向を、口の奥から外ではなく、線を噛ませる事で、口の左右に変換する試みです。
勘の良い釣り人はこの図で気がついたと思います。
テンヤもルアー釣りも、口に対するエネルギー方向として、縦だけじゃなく、横であることがとても多いのです。
串に刺さった焼き鳥をくわえて、串を引っ張ったらその先に針が大量に付いてる状態をイメージして下さい。
デメリットとして、小型のトリプルフックを使うので、大型を想定した場合の強度、更に、釣り上げるたびに、フックが何本か折れるので、採算性は全くありません。
ですが、魚の口になぜ針はかかるのか、というメカニズムに基づき、従来あるエサ釣りの概念では対応出来ていないタチウオの捕食に対して、口の左右外側に支点と針がかり位置を想定した、運任せではない仕掛けであると考えます。
理論は完璧、あとは実地検証。
小さいエサを飲むまで待てよ作戦に負ける恐れはあります。
この記事はタチウオの捕食行動について考察していますが、真面目な記事はコチラ