正しい選択

数フレーム、1秒の数分の1が勝敗を分ける世界、世界的にもっとも人気が高いと言ってもいいジャンルのゲーム、

ファーストパーソンシューティング における、とある場面。


狭い空間で発生した、いわゆる遭遇戦闘。


幸運にも、コンタクトした瞬間の立ち位置が良かった。

1対2の状況でダブルキルに成功。


だが、すぐさまに接近する敵の気配がある。

威力が高いメイン武装のマガジン内、残弾は3発。




ここで選択を迫られる



① このまま残弾が少ないメイン武装で接敵する。

→ ノーミスの高難易度プレーが要求される。


② 威力が低い複武装に交換する。

→ 相手が自分と同じ程度の技術であった場合、100%負ける。


③ 一定時間何も出来なくなるが、メイン武装を弾薬交換する。

→ 相手の技術水準が一定以上あれば、何も出来ずにやられる。






① を選択した。


①と③がどちらかというとゼロを起こしやすいリスキープレーだとすると、②は一定量が保障されたアベレージプレーと言える。


ただ、多少の運はどれも必要だが、自分さえミスをしなければ、・・・結果に対して主導権を握る選択肢は①と言える。

技術的な難易度(リスク)を支払うことで、結果に対して、出来るだけ自分のパーセンテージが高いのが①と言える。




①と言う決断、果たして・・・


数秒もなく接敵。
サイトに敵をとらえた瞬間に、大きな発射ブラストが見えた。


グレネード厨だ!

これは火力の高い、爆発兵器を自己被弾も無視して、接近戦でも積極的に使用する手法。

メリットは敵に狙いを正確にあわせる技術が無くても遭遇戦で高い勝率を得られる事。



タタン・・!

相手の放ったグレネードは遥か後方で爆発、行き違いに放たれたメイン武装の弾丸でヘッドショットに成功し、トリプルキル。




正解か?


結果的には不正解だった。


接近していた敵は2人いた。

先に遭遇したグレネード厨を倒した直後、メイン武装の弾薬交換中に、更にもう一人敵が現われ、使用出来ないメイン武装から複武装に切り替えたが、火力負けでやられた。


では何が正解だったのか。

選択肢としてはベターは③だと思う。


まず最初に遭遇したのはグレネード厨だった点が重要となる。

ここでは例えどんな選択肢を選ぼうと、相手が的確にグレネードを打てば100%負ける。
そして同時に、相手がミスをすればどの選択肢でも、100%勝てる。

それならば、次、その後にベストの備えが出来るのは間違いなく③なのである。


つまり、今回に関しては何をやっても運任せに過ぎないので、後の先を取りに行く選択が正解だった。




勿論これは結果論である


確率論としてゲーム内の傾向として、グレネード厨が高い傾向でもあれば別だが、熟練プレイヤーで③を選ぶ人は先ずいない。

それは トータルの確率で見れば、①か②を選択した方が、勝率が良くなるからだ。



昔、スロットマシンで副収入を得ていた時代に、高確率で当たりが出やすい台を引いても、全然アタリが引けないと言う事が何度もあった。

これはサイコロで1が10回振っても出ない事もある様な話。




1年半の内410日、ホールでパチスロ打つと言う意味


ここでその場限りの勝利を求める人は台を移動する。

その移動した先の台で勝てば後付で理由を付けるが、その実、明確な根拠はない。


だけど、トータルで勝つ事を考えていれば、高確率台を打っている確信がある時、絶対に移動しない。

例えその日がどう終わろうと。


そう言った大局で考えられずに、心で行動がブレてしまい、高確率で当りを引ける台を放すような人(その場限りの勝利を求める人)は毎日、年間100日、200日ホールに来れなくなる。

トータルで損をして、お金が無くなるから。

 

判断が生存という最終結果へとシビアに反映されていく勝負の世界において、淘汰されずに生き残っていくとはこういう事。




日本最強の格闘プロゲーマーにして、ギネスブックにも載った梅原大吾の著書を読んで、共感する部分があった。

 

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)

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この記事は、以前に他所で書いていた記事をリライトした物です。